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日常のこと

札幌のタクシー運転手さん

先日、札幌に行ってきました。
思い出に残る出来事があったので、ブログを書きたいと思います。
今回の旅の目的の一つに「木彫りの熊の工芸品を買う」というのがありました。
他の目的について書いたブログはこちら

お目当てのお店は”遊木民”というお店。
調べた限り札幌市内で木彫りの民芸品を専門に扱っているお店は唯一ここのようです。
タクシーの運転手さんにお店の住所を伝え「遊木民というお店で、木彫りの熊を見に行きたいんです」
と伝えると、運転手さんが、「私、そのお店知ってる!前にお客さんを連れて行ったことがあります。私もいつか入ってみたいと思ってるんです。」まだ入店したことはないということでした。
ベテランらしい女性のドライバーさんは道中、色んな話しをしてくれました。
・実家にも木彫りの熊がいて、とても細かな彫りで熊の毛を表現していること
・ご両親は亡くなっており、その実家には誰も住んでなく家具など処分したけど熊が、残っていること
・札幌市内の公園でも熊が出没すること
・山に鹿が増え、熊の食べるものが減っていて市街地に出没するようになったこと
・マタギと猟犬について
いろんな話を伺いながら、遊木民へ到着。お店は市街地から離れており、帰りのタクシーを捕まえるのは難しそうです。

僕はドライバーさんに「ここで待っててもらえますか?もし良かったら一緒にお店に入ってみませんか?」と訊くと、ドライバーさんは少し考えてから「じゃ、メーターを一度切って一緒にいきましょう!」と同伴してくれました。可愛い木彫りの数々に「ねぇ、これ可愛いー」とはしゃぐ二人。一人行動している僕は、共感できる人がいて嬉しかったです。

帰りの車内、「実家にある木彫りの熊、あなたに差し上げましょうか。来月には実家に行く用事があるから送りますよ。可愛がってくれる人がいた方が、熊も両親も喜ぶから」と仰っていただき、連絡先を交換してお別れしました。人の温かさに触れ、ご縁を感じた出来事が忘れられない旅の思い出になりました。

買ってきた熊 子を抱え優しい表情 作家さんは81歳の方